神経

脇の下だけに大量に汗をかくことを「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と言います。

発症のきっかけは、エクリン腺という汗腺の機能の発達過多とメンタル面によるものが多いです。

それは年齢も深く関係しており、腋窩多汗症の発症は「10代から20代」「更年期」に多くみられます。なぜこれらの時期に多いのでしょうか。その理由について詳しくご説明します。

腋窩多汗症の発症は共通して「変化」の時期

脇の下に大量の汗をかいてしまう腋窩多汗症の発症時期は人によってさまざまです。

生活環境の変化を迎えた10代から20代や、女性ではホルモンバランスの変化に悩まされる更年期に発症するケースがよく見られます。

腋窩多汗症の場合はメンタル面も大きく影響するため、精神的にも不安定なこれらの時期に多く発症するのは頷ける結果と言えるでしょう。

また、自意識過剰になりやすい思春期や恥じらいの強い女性は、臭いや汗染みなどにも敏感。

大量に脇汗をかいている姿を見られたくないと思えば思うほどに意識が脇の下にいってしまい、「脇の下に大量に汗をかく=わきが」という誤ったレッテルによって、自分は臭いと思い込んで周りに人がいると緊張してしまうなど、脇汗の増加を招く悪循環を起こしてしまうこともあるようです。

思春期の汗や臭いの悩みはデリケート

10代から20代に多い生活環境の変化によって発症する腋窩多汗症は、その生活環境に慣れることで治まることもあります。

しかし、思春期であるがゆえに大量に汗をかいてしまう自分をわきがだと疑ってしまうというケースもみられます。

わきがは遺伝によるものなので、思春期に発症しなければ成人になってわきがになることはありません。

思春期に臭いが発生するのは、性ホルモンが盛んに分泌されるようになり、わきがの原因であるアポクリン腺の数が増えて働きが活発化するためです。

思春期には汗や臭いの悩みを誰にも言えずに抱え込んでしまうことも多いので、両親など周りの方が見守りつつ解決に導いてあげる努力が必要になってきます。

更年期の汗は自律神経の支障が原因

更年期に腋窩多汗症を発症する理由には、自律神経が大きく関わっています。

自律神経とは、血流・発汗・心拍などのように自分の意思ではどうすることもできない体の機能をコントロールしている器官。更年期になると、女性ホルモンが急激に減少し体内のホルモンバランスが崩れることで自律神経に支障が起きます。

それにより発汗のコントロールができなくなり、大量の汗や「ホットフラッシュ」と呼ばれる急な発汗につながるのです。

さらに厄介なのが、更年期にかく汗が通常の汗と違うということ。個人差はあれどもアンモニアなどの臭い成分が多く含まれ、濃度も濃くべったりとして蒸発しにくいのが特徴です。

そのような汗を大量にかけば臭いが気になるのも仕方ありません。しかし、このような症状も一時的なもの。更年期が終わると自然に治まるケースが多いので、この時期は入念な臭い対策で乗り切りましょう。

汗の臭いが強くなる更年期こそ、しっかりと臭い対策を

ただでさえ更年期は気分が沈みがちになるのに、脇汗や臭いの悩みを抱えることはとても憂鬱です。

そこで、更年期の臭い対策では「心の負担を軽くする」「良い汗をかく」ことを心がけましょう。

まず、汗染みを防ぐためには脇汗パッドをこまめに取り替え、汗の臭いは制汗力の高い制汗剤で抑えましょう。

制汗剤を選ぶポイントは、汗腺にフタをすることを重視してロールオンやクリームタイプをチョイスすること。外出時にはデオドラントシートを持ち歩き、こまめに汗を拭き取りましょう。

洋服は通気性の良いものを選び、汗が蒸発しやすい環境を整えることも大切です。ここまで徹底すれば、人に見られる・臭いと思われるという心の負担は軽くなるでしょう。

体を酷使し過ぎない程度の無理のない運動と入浴で良い汗をかきましょう。

特に入浴は、しっかりと汗をかくためにぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。更年期特有の汗はアンモニア臭が強く、疲れが原因です。その疲れをとる意味でも朝ではなく夜に入浴するのがおすすめです。