ピル

ピルは避妊薬としてだけでなく、ホルモンバランスを整えたり、重い生理痛の改善にも効果があったりと、その効果の幅広さから使用を検討している方もいるでしょう。

しかしワキガに悩む人にとって、ピルを飲むと脇汗が増えるという噂は重大な懸念事項です。ワキガに悩む人でも安心してピルを使うことはできるのでしょうか?

ピルと脇汗の関係について今一度確認してみましょう。

脇汗はピルの副作用のひとつ

まずはピルについての基本的な知識についておさらいしておきましょう。

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンという、2種類のホルモンを配合した薬です。

ピルによってホルモンバランスを妊娠した状態に近づけることで妊娠を防ぐのがピルの基本的な作用です。

この他にも、安定したホルモンバランスを保つことによりPMS(月経前症候群)や生理痛を緩和する作用もあり、避妊以外にも多くの目的で処方されています。

一般的に処方されている低用量ピルは、中用量ピルや高用量ピルに比べて副作用も少なく安心して使用できるものですが、使用前とはホルモンバランスが変化するため、飲み始めて最初の数週間は副作用が現れることもあります。

主な副作用としては頭痛や吐き気、めまいなどの他に、多汗の症状が認められることもあります。脇汗が増えるという噂はここから来ているものなのです。

ピルで脇汗が増える仕組み

脇汗が増える原因には自律神経が大きく影響しています。

汗は一般的に自律神経の中の交感神経の興奮によって起こるものです。自律神経のバランスは非常にデリケートで、ストレスやホルモンバランスのちょっとした変化でも体に大きな影響を与えてしまいます。

ピルを飲むことによって脇汗が増えるのは、服用以前とホルモンバランスが変わり、これが自律神経のバランスを乱すためと考えられています。

ピルによる脇汗は時間の経過によって改善する

ピルを飲み続けることで体が慣れると、脇汗も含めて副作用は治まります。

副作用が治まるには、早くて2週間ほど、長い場合には3ヶ月ほどかかる場合があります。

どうしても副作用が治まらない場合は薬の種類を変えることも検討しましょう。ピルは個人との相性が副作用に大きく影響します。

薬の種類を変えるだけでそれまでの副作用が嘘のように治まってしまうこともありますので、副作用を感じた場合はまず医師に相談することをおすすめします。

ピルで脇汗がおさまることも

副作用による多汗が治まると、以前よりも脇汗が少なくなるという報告もあります。

一度体がピルによって作られるホルモンバランスに慣れてしまえば、必要以上に自律神経が刺激されることもなくなります。ピルはそのホルモンバランスを整える作用から、自律神経失調症の治療にも使われることがあるというのもその証拠です。

ワキガだからといってピルをあきらめる必要はありません。普段の脇汗対策とともに医師とよく相談し、上手にピルとつきあっていきましょう。

脇汗が増えているときの注意点

ピルによる副作用で脇汗が増えている間は、汗を抑えるために水分の補給を控えたくなってしまいます。

しかしこれはできるだけ避けておきましょう。ピルの副作用には便秘や頭痛など、体の中の水分や血流に関係したものが多くあります。水分の摂取を少なくすることで、これらの症状を悪化させてしまうおそれがあるためです。

また、ピルにはごくまれに血栓症という重篤な副作用が現れることもあります。

血栓症とは血管の中に血の塊ができ、血液の流れを塞いでしまうことによって、ときに脳梗塞や心筋梗塞などの重大な症状を引き起こすものです。

汗を抑えたいがために水分の摂取を控えると、血栓症発症のリスクを上げることにつながってしまいます。

脇汗が増えるのはつらいものではありますが、血栓症は場合によっては命にかかわるものです。危険を回避するためにも水分は普段よりも多めに摂取するよう心がけましょう。